人格水準の低下(医療関係者向け)新着!!
はじめに 「人格水準の低下」は、「人格障害」、「人格の荒廃」と並んで恐ろしい精神医学用語である。「人格」とは、人間にとってもっとも大切なものの一つであり、人間そのものだともいえる。それが低下してしまってはたまらない。人 […]
鴎外への鎮魂歌3 サフランの暗示
鴎外の随筆の中でも秀逸とされる「サフラン」の中には、秘密が隠されているとみる。それは自分の失敗した理由の探索。 「名を聞いて人を知らぬということが随分ある。人ばかりではない。すべての物にある。私は子供の時から本が好きだ […]
鴎外への鎮魂歌4 軍服の鴎外
下の写真は、明治17年(1884年)10月8日にフランス マルセイユの写真館で撮影されたものである。留学のため欧州に向かう船の中で1か月半の長旅のあとである。鴎外は後列左から2人目。軍服姿は2人のみ。これが鴎外の最も古 […]
鴎外への鎮魂歌7 結婚
長井長義(1845~1929)は、徳島県の藩医の家庭に生まれた。鴎外の17歳年上だが、父親がともに藩医ということでは一致している。頭脳明晰だった長義は、22歳の時、長崎の医学校に国内留学。オランダ人の医師ボードウィンに […]
ワクチンが効かない!
「コロナワクチンは効くか?」で、2022年12月現在流行しているウイルスには、今までのワクチンが効いていないことをお示ししました。今回は、その続きです。検証第2弾です。 12月12日または13日付の「都道府県別累積感 […]
鴎外への鎮魂歌6 北里柴三郎との確執
森鴎外と北里柴三郎。一人は文学者として、一人は医学者として異なる分野で超一流の業績を挙げた。その二人が同じ写真に写っており、さまざまな交流があったことは、驚くべきことである。そして、石黒を含めた下の3人はもめにもめてい […]
鴎外への鎮魂歌0 その概略
はじめに 凡人は毎日失敗する。今日も失敗した。しかし、人間のスケールが小さいから失敗にしてもスケールが小さい。偉人も失敗するが、今日紹介するのは、とてつもなく大きなスケールの失敗だ。 森鴎外は、明治期に活躍した日本を […]
鴎外への鎮魂歌2 生まれ
鴎外は、島根県の南西部で海に接していない内陸の盆地津和野で生まれた。山にかこまれた川沿いの小京都とも言われる美しい街並みである。当時津和野は、亀井氏の城下町、石見の国津和野である。今こそ人口は6700人くらいだが、当時 […]
鴎外への鎮魂歌1 死の直前
森鴎外(1862年文久2年~1922年大正11年)は、夏目漱石と並ぶこの時代の日本を代表する作家である。そして、鴎外は作家以外にもう一つの顔を持っていた。陸軍軍医森林太郎としての顔である。 東大医学部を出た鴎外は、や […]
心配しすぎることの弊害
日本人の病的特性 間違った認識から間違った風潮が生まれる。誰もがそれを疑わない。 日本人の多くは優等生だ。例えば、ほとんどの人がマスクをしている。してないと悪い人みたいだ。マスクをしている方が感染を防げると考えるから […]
幻聴 その捉え方(医療関係者初学者向け)
幻聴の特性 幻聴というのは、本当に不思議です。患者さんの体験することは、おおかた想像のつくものが多いし、被害妄想だってなんとなくわかります。パニック障害だってわかるし、それに近い体験だって多くの人がしたことがあるでしょ […]
道元の言葉 正法眼蔵随聞記 その6
2巻17章である。「人は善いことをすると、人に知られようと思い、悪いことをすると人に知られまいと思う。そのために心の内と外とが一致しなくなる」。 人が他人に知ってもらいたいのは、自分が優れていることとか、立派なことをや […]
内村鑑三の教え 成功の秘訣
内村鑑三が、ある旅館の主人に、成功の秘訣と題した教えを書き贈っています。写真を撮っていい展示スペースでしたので、撮影させていただきました。 大正十五年七月二十八日 星野温泉若主人のために草す 成功の秘訣 六十六翁 内 […]
物事はなぜ思い通りに行かないのか
人の幸福と不幸について考え、幸福を推進したいと思うのは哲学者である。が、精神科医もときどき考える。 幸福と不幸について考える場合、これらのもっとも大きな特徴は何か。それは、これらは主観的な問題だということである。そし […]
道元の言葉 正法眼蔵随聞記 その5
第13章です。ある人が道元に言いました。「名誉、利益の2つは仏道の妨げになるから捨てましょう。しかし、衣服が糞掃衣(ふんぞうえ)*1、食べる物が常乞食(じょうこつじき)という生活はできるでしょうか」。「摩訶迦葉尊者(まか […]
道元の言葉 正法眼蔵随聞記 その4
第10章にいきましょう。道元は、禅話を聞いてよく理解し会得する方法として、自分が今まで理解していた気持ちを指導者の言葉に従って順々に改めていくことだと言います。親鸞は法然のことを絶対的に信奉しました。たとえ、だまされて […]
道元の言葉 正法眼蔵随聞記 その3
さあ、続けて参りましょう。正法眼蔵随聞記は、世界的にも稀有な人生指南書です。最高の精神医学的洞察があります。何かを極めていくのは難しい、仏道でもそうです。戒律を守ることは大切ですが、こればかりにとらわれてはいけないと道元 […]
道元の言葉 正法眼蔵随聞記 その2
道元は弟子たちに対してこのように言っています。 なくなった栄西禅師(1141―1215、臨済宗の祖)は、「あなたがた修行者たちが使っている衣類や食料などは、わたしがあげているのではありません。これはみな仏法を守る神様たち […]
道元の言葉 正法眼蔵随聞記
正法眼蔵随聞記は、親鸞の弟子である唯円が書いた歎異抄と並んで、わが国が誇るべき仏教古典の一つであると考えられます。道元の弟子の懐弉(えじょう)は、よくぞ書き留めてくれたなと思います。自分の役割に徹したのでしょう。そ […]
どう主張するか? 道元から学ぶ
道元の弟子である懐弉(えじょう 1198-1280)は、道元が僧たちに話した内容をかきつづっています。その正法眼蔵随聞記の中から、印象深いところをお示しします。 道元はこう言いました 自分は道理にかなったことを言ってい […]
道元の教え 支援者の心がけ
菩提薩埵四摂法(ぼだいさったししょうぼう) 菩提薩埵というのは、インドのサンスクリット語の bodhisattvaの音訳です。中国でそれに 菩提薩埵という語をあてたようです。略して菩薩ということです。菩薩という言葉の […]
当院のコロナクラスター報告(4)
2022年3月3日現在、入院患者、職員でコロナウイルスに感染している人はいなくなりました。「0人」です。当院のコロナクラスターは、終息しました。 幸い感染者された方の症状は軽症で、内科への転院を必要とした方はいません […]
精神疾患と血液検査 悪性症候群2
悪性症候群でのアルブミンの低下 前の項で、悪性症候群で顕著な血清アルブミンの低下がみられることをお示ししました。久々に自分の論文をながめてみると興味深いことが書かれていました。 McClainら(1988年)は、頭部 […]
良寛、鷹山、方谷と継之助の接点
例によって、偉人と偉人の接点を探っていきます。精神科医の視点を入れたいと思います。良寛、上杉鷹山、山田方谷、河井継之助の共通点です。 良寛 父以南の自殺 1758年新潟出雲崎の町名主の橘屋山本家の長男として良寛が生ま […]