原爆投下にカンカンに怒る
2025年8月、 プーチン大統領がトランプ大統領との会談のためにアラスカに来た。そこで、米国の女性記者が、甲高い声で、「もう民間人を殺しませんか?!」 とプーチンを責めるように問いかけた。
プーチンは、聞こえないふりをする。
ここでの問題は、プーチンではありません。女性記者、あなたです。どうしてそんな質問を投げかけられるのでしょうか。あなたたち米国人は、広島と長崎で、原爆によって数十万人の民間人を殺害したのだ。
「私たち米国人も日本で民間人を比較にならないほど大量に殺しましたが、・・・」と前置きをつけてから質問してほしい。
トルーマン、大統領の就任式で、あなたの手を置いた本になんて書いてあったか、「殺すな」ではなかったのか。

こんなことがあってもニコニコしているのだから、日本人は本当にお人好しだ。人災なのに天災のように語る。
「リメンバー・パール・ハーバー」と言うが、真珠湾攻撃で死んだ米国人は、民間人に限れば、ネットで調べると、49人から68人となっている。日本では、5000倍近くの民間人が2日間の攻撃で死んでいる。「リメンバー広島、長崎」を5000倍大きな声で言っていい。
しかも米国は窮鼠猫を噛むの状態ではなくて、勝ちが分かっているゲームで遊んだのではなかったのか。2つの違う種類の核爆弾で、どちらが有効か調べたのではないか。戦争を終わらせるためとか、兵器工場のある都市を狙ったとかいうのも嘘だ。ものすごい戦争犯罪だ。言い訳を言って少しも反省していない。
時期が時期なので、テレビ番組で原爆を取り上げることがるが、淡々と事実を話すだけだ。「本当に悪いことですね」、「人間のやることではないですね」とか、出演者には言ってほしい。誰も言わないのは圧力がかかっているからなのだろうか。
私もお人好しの効能をよく知っている。例えば、二宮金次郎の父は、栢山(かやま)の善人と言われた。ただ、そのお人好しの性質もあったのだろう、財産をその一代で相当に失い、金次郎やその弟らは困窮した。しかし、そのお人好しの性質は金次郎にも受け継がれた。金次郎にはそれ以外の性質もあったから大事業をなしえた。
米国との関係の保持のために、日本政府は原爆のことは強く米国に言えない。いじめられっ子がいじめっ子のことに強く言えないのと同じだ。現代の米国人も知らなかったり、なかったかのようにしている。ヨーロッパでは、ユダヤ人虐殺があったからか、日本の原爆のことには関心が向かない。
もし、原爆が米国本土の人口数十万の都市に落ちていたらどうだろうか? 米国人には、そう想像してみてほしい。焼け焦げて血みどろになる家族の姿を思いうかべてほしい。パールハーバーの民間人死者が2桁なのに相当怒っていたので、たいへんな怒り方になるだろう。
しかし、無理だろう。人間は相手の立場に立って考えるということが苦手だ。だから、いろいろな問題が起きてきた。
湯川秀樹が10年早く生まれていたらどうなっていたか。儒教研究者の兄、貝塚茂樹に止められていただろうか。
2025年8月(戦後80年)