精神医学研究
精神医学的研究、ここでは特に生物学的な研究をお示ししました。興味を持ってくださるとうれしいです。
気づきの力 Power of the Awarenss その1
はじめに 「気づきが大切」などと聞くことがある。心理学の領域で、よく使用される言葉である。あまり意味が分からないまま、心の片隅にあった。何か大切なこと、ひっかかることが、潜在意識の中に留め置かれることがある。それが何か […]
精神科医の自殺の抑止力 医療関係者向け
はじめに 神の手を持つ外科医は、自分の実力を確信できるし、周囲からも確かに素晴らしい成果を挙げていると言われます。 では、精神科医はどうでしょう? その成果ははっきりせず、治療の効果はいかほどなのかわかりにくいものが […]
人格水準の低下(医療関係者向け)
はじめに 「人格水準の低下」は、「人格障害」、「人格の荒廃」と並んで恐ろしい精神医学用語である。「人格」とは、人間にとってもっとも大切なものの一つであり、人間そのものだともいえる。それが低下してしまってはたまらない。人 […]
幻聴 その捉え方(医療関係者初学者向け)
幻聴の特性 幻聴というのは、本当に不思議です。患者さんの体験することは、おおかた想像のつくものが多いし、被害妄想だってなんとなくわかります。パニック障害だってわかるし、それに近い体験だって多くの人がしたことがあるでしょ […]
精神疾患と血液検査 悪性症候群2
悪性症候群でのアルブミンの低下 前の項で、悪性症候群で顕著な血清アルブミンの低下がみられることをお示ししました。久々に自分の論文をながめてみると興味深いことが書かれていました。 McClainら(1988年)は、頭部 […]
「なぜ 人に会うのはつらいのか」
対談 佐藤優、斎藤環著の1月10日発行の中公新書「なぜ 人に会うのはつらいのか」を贈っていいただきました。大学院の後輩の斎藤環さんから。しかも、佐藤優さんは、たしか、浦和高校出身ではなかったでしょうか。 お二人の話は […]
統合失調症の血清アルブミンの低下について(従事者向け)
あらすじ 2020年から2021年にかけて、私は、統合失調症患者の入院時の血清アルブミン値、血清総蛋白値、A/G比などを調べ、人間ドックを受けた対照群と比較したほか、年代による変化をみてみました。男女とも、統合失調症群 […]
血液検査で精神疾患がわかる?!概略
統合失調症や躁うつ病などの内因性精神疾患は、検査では診断できないとされてきました。今まで、統合失調症のいろいろな仮説が提示されましたが、原因なのか、結果なのか、中間段階に現れる現象なのかわかりません。 多くの精神科医 […]
精神疾患と血液検査 悪性症候群1
はじめに 精神疾患、とくに内因性精神病は、原因がわからない精神病とされていますので、各種の検査では捉えられないとされてきました。しかし、私のような一臨床医でもわかることはあります。実際に私が体験したり、臨床研究の中から […]
イレウスのリスクファクター
医療関係者様向けです はじめに もう、ずいぶん前になります。精神科の入院患者さんの合併症で、肺炎、悪性症候群とならんで、イレウスが多くみられました。そのため、そのイレウスのリスクファクターをケースコントロールスタディで […]
統合失調症の認知機能とA/G比(医療関係者様向き)
統合失調症の認知機能は、統合失調症の社会的な予後を考える上で重要です。この認知機能と連動するような身体的指標がないか。それを追求した私どもの論文をご紹介いたします。A/G比は、血液中のアルブミンとグロブリンの比です。何で […]
精神疾患のバイオマーカーとしての血液像について(医療関係者様向け)
要約 精神科入院患者の血液像を調べた。急性期群と行動制限群では、寛解状態にある対照群に比較して、好中球率の増加、リンパ球率の低下、好中球比率/リンパ球比率の上昇を平均値の差の検定で認めた。これらは、統合失調症群、気分障 […]
身体に基礎のある精神症状(精神科関係者向け)
へんなタイトルです。しかし、シュナイダーの言ったのを訳した日本語も何か変なんじゃなかったかなあ。厳密にいうと、ほとんど全部の精神疾患がそうなんじゃないかなとも思います。内因から外因へ。 これまで、多くの身体に基礎のあ […]