当院のコロナのクラスター報告(1)
概要
当院では、1月の16日からコロナPCR陽性となる職員、患者さんが出始めました。感染ルートはなかなか特定困難です。一つのフロアから感染が始まりました。現時点で、職員と患者さん合わせて38人のクラスターになっています。本日の埼玉新聞と読売新聞の地方版に病院名までのりました。
職員も患者さんも軽症の方が多く、一人だけ、酸素を一時使用しただけです。発熱は1日から3日で軽快、咳なども目立たない人が多いです。スクリーニングでひっかかった無症状の方も結構います。食欲はどの患者さんもよく保たれます。肺炎になる人、転院を要する人は今のところだれもいません。
感染力
感染力の強さはすごいです。患者さんはおおむね事態を理解して協力的です。しかし、実際には、マスクをはずしてしまったり、密着してしまう人も多いです。その辺から移ってしまうようです。クラスターになった病棟は、慢性重症者病棟であり、ご自分では手洗いや消毒など感染対策ができない方の病棟です。職員は、おむつ交換など、ある時間密着してしまう場合になりやすいようです。
職員の3回目の接種は、ほぼ終了して2週間を経過してるところです。患者さんの接種ははじまったところです。ちょっと残念なところです。
ガウンや検査
この10日間で、使ったガウンなど感染防止用具を14、000セットに及ぶと看護部長からきいてびっくりです。足りなくなるのももっともです。私も、もちろん、当該病棟に入るたびにガウン等を着用しなければなりませんし、なれないことでたいへんです。使用した物品の廃棄もたいへんです。
検査に関しては、院内のPCR検査の試薬が手に入らなくなったり、抗原検査キットも少なくなって、なかなか大変ですが、検査会社もがんばってくれてます。当院だけで、1日60検体もPCR検査に出すこともありますが、迅速に対応していただいています。
患者さんのご家族にコロナに罹ってしまった、院内感染で申し訳ないと電話で謝るのですが、励まして下さるご家族さんが多いです。
職員の減少
一番大変なのは、職員が減ってしまうことです。治療自体はまったく何もすることがほとんどありません。何人かに中和抗体の点滴とかコロナの経口薬を出しただけです。ですから、治療の労力はほとんどありません。それよりも、職員の少ない中での感染防御対応や多数の検査が重くのしかかります。
無症状の職員が10日も休むことになってしまうのは忸怩たる思いです。やはり、オミクロンの病状の軽さに合った、適度な感染防御を再考する必要があります。
私が言うのも変ですが、看護の職員、食事を弁当にして当該病棟に届ける給食職員の献身的な努力には頭の下がる思いです。回復して戻ってくる職員もおり、ありがたいなと思っています。何とか光が見えてきたところです。1月29日