精神医学研究
精神医学的研究、ここでは特に生物学的な研究をお示ししました。興味を持ってくださるとうれしいです。
私が統合失調症を数字で診断するまで(3)医療従事者向け
今までのおさらいをしましょう。統合失調症では、特に初発時や再燃時の急性期に好中球/リンパ球比(NLR)が高くなり、また、血清のアルブミンや総蛋白が減少しているということがわかりました。 では、これら2者(NLRと総蛋 […]
私が統合失調症を数字で診断するまで(2)医療従事者向け
2020年から2021年にかけての研究で、人間ドックを受診した健常者と入院中の統合失調症患者の血清の蛋白質の量を調べてみました。 精神科の病院や診療所にお勤めの方は、その医療機関で通常行う血液生化学検査に、総蛋白、ア […]
私が統合失調症を数字で診断するまで(1)医療従事者向け
心は数字でわかるか? 昔、医局でこんな話がありました。「統合失調症を体温計みたいに数字で診断出来たらいいのに」。それに対して、別の先輩医師が、「そんなバカなことがあるか」と一蹴していました。これは、私の記憶なのか、想像 […]
気づきの力 Power of the Awareness その2
ソニーのウォークマン 1979年(昭和54年)にソニーからウォークマンが発売された。ソニーのホームページから画像を取り出させていただいた。カセットテープで聞く初めのウオークマンである。音楽を外出中に聞くなどということは […]
気づきの力 Power of the Awarenss その1
はじめに 「気づきが大切」などと聞くことがある。心理学の領域で、よく使用される言葉である。あまり意味が分からないまま、心の片隅にあった。何か大切なこと、ひっかかることが、潜在意識の中に留め置かれることがある。それが何か […]
精神科医の自殺の抑止力 医療関係者向け
はじめに 神の手を持つ外科医は、自分の実力を確信できるし、周囲からも確かに素晴らしい成果を挙げていると言われます。 では、精神科医はどうでしょう? その成果ははっきりせず、治療の効果はいかほどなのかわかりにくいものが […]
人格水準の低下(医療関係者向け)
はじめに 「人格水準の低下」は、「人格障害」、「人格の荒廃」と並んで恐ろしい精神医学用語である。「人格」とは、人間にとってもっとも大切なものの一つであり、人間そのものだともいえる。それが低下してしまってはたまらない。人 […]
幻聴 その捉え方(医療関係者初学者向け)
幻聴の特性 幻聴というのは、本当に不思議です。患者さんの体験することは、おおかた想像のつくものが多いし、被害妄想だってなんとなくわかります。パニック障害だってわかるし、それに近い体験だって多くの人がしたことがあるでしょ […]
精神疾患と血液検査 悪性症候群2
悪性症候群でのアルブミンの低下 前の項で、悪性症候群で顕著な血清アルブミンの低下がみられることをお示ししました。久々に自分の論文をながめてみると興味深いことが書かれていました。 McClainら(1988年)は、頭部 […]